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不妊治療・検査について

「不妊」とは?

「不妊」とは、妊娠を望む健康な男女が避妊をしないで性交をしているにもかかわらず、一定期間妊娠しないものをいいます。
日本産科婦人科学会によると、この「一定期間」については「1年」と定義されています。
しかし、例えば女性に月経不順や月経痛などがあると妊娠しにくい可能性があり、定義の期間を満たさなくても検査や治療を進めた方が良い場合があります。
また、不妊の原因がなくても、男女共に加齢によって妊娠、その先にあるご出産は成立しにくくなります。
ご年齢によっては、治療を先送りすることで妊娠の可能性が下がるリスクを考慮し、一定期間を待たないで治療を進めたほうが良い場合も多々あります。
現在、不妊のカップルは約10組に1組と言われていますが、近年、妊娠を考える年齢が上昇していることもあり、この割合はもっと高いとも言われています。
不妊の原因には症状として出ないものも多くあり、今まで健康でほとんど病院を訪れることのなかった方にとっては、「私たちは不妊なのかな?」と考えただけで大きな不安をお持ちになることと思います。
しかし、“不妊症”と診断されたとしても、“妊娠できない”というわけではありません。
不妊の原因が見つかり、その部分に対しての対処が出来れば妊娠の可能性が上がります。
また、不妊の原因が見つからなかったとしても、自然に任せるのではなく妊娠率を高める治療(=不妊治療)を行っていくことで、妊娠の可能性は大きく広がります。 まずは不妊の原因がないかを検査で調べ、妊娠に向けて方針を立てていきましょう。

不妊の原因

不妊の原因は多岐にわたります。
女性側だけでなく、男性側に原因がある場合もあります。
男性のみに原因がある場合と男女両方に原因がある場合を含めると、不妊で悩まれているカップルの約半数は男性側に原因があることになります。

女性側の原因

◇排卵因子

正常な排卵の流れ(卵巣の様子)

月経周期に合わせた排卵の流れと基礎体温の変動

月経不順がない方の場合、月経が開始しておおよそ12~16日目辺りに排卵が起こります。
しかし、月経不順のある方の場合、卵胞(卵子が入った袋)が排卵に向けて育たず排卵が起こらないことがあります。このような場合でも生理のような出血が起こることがあるため、ご自身では気付くことが出来ません。
排卵が起こらなければ妊娠は成立しません。
排卵が起こらない原因には、多嚢胞性卵巣症候群・ホルモンの異常・極度の肥満または体重減少などがあります。これらの場合は原疾患の治療や、排卵を促すための治療を行ったりします。
また、全く月経がない場合、様々なホルモン分泌の異常やまれに早発卵巣不全(早発閉経)の可能性があります。

◇卵管因子

卵管は子宮の左右にある細い管で、腟から子宮頸管を通って進んできた精子が卵子の元へ向かう為に通ります。
また、卵管の先にある卵管膨大部で受精した卵子(受精卵)が戻って行き、着床の為に子宮へと進むための道でもあります。両側の卵管が炎症などによって詰まっていると、妊娠は成立しません。
卵管炎や骨盤腹膜炎の原因となるクラミジア感染症にかかったことがある方で、ほとんど無症状のうちに卵管が詰まっていることもあります。
また、子宮内膜症の病変によって卵管周囲の癒着が起こり、卵管が詰まっている場合もあります。

◇頸管因子

子宮頸管は、子宮の入口を粘液でフタを閉めてバリアをしている、筒のような部分です。
子宮頸管は頸管粘液という粘性の強い液体で閉ざされており、排卵が近づくと頸管粘液は量が増え、性状が変化して、精子が通過しやすい状態になります。
排卵前に頸管粘液の分泌が増えなかったり精子の通過に適したサラサラした性状にならなかったりすると、精子は子宮内に侵入しにくいため、妊娠が成立しにくくなります。

◇免疫因子

人間には、細菌やウイルスなどの外敵と闘い自分を守るための「免疫」という仕組みがあります。
異物の侵入を容易に許容しないための大切な仕組みですが、時に「抗体」といわれる免疫の力で精子を攻撃してしまうことがあります。精子を攻撃し動きを止めてしまう抗体(精子不動化抗体)を持つ女性の場合、子宮頸管や卵管の中で抗体が分泌されて、精子の運動性が失われ、卵子に到達できず、妊娠が起こりません。

男性側の原因

◇造精機能障害

精子の数が少ない(乏精子症)、運動性が悪い(精子無力症)、奇形精子の割合が多い(奇形精子症)などの場合、妊娠しにくくなります。
精子を作っている精巣に精索静脈瘤(血管のこぶのようなもの)があると精巣内の温度が高くなり、精子の数や運動性が低下することがあります。精索静脈瘤は一般男性の15%に認められ、男性不妊の原因としてはもっとも頻度が高く、原因の40%前後を占めるとされています。また、原因がないにも関わらず精子の状態が悪い場合や、精子が作られていない場合(無精子症)もあります。

◇精路通過障害

作られた精子が射出されるまでに通る道が途中で詰まっている・狭くなっていると、射精はできても精子が排出されず、妊娠に至りません。
精巣上体炎、尿道炎や外傷、射精管閉塞症、小児期の鼠径(そけい)ヘルニア手術後などにより精管が詰まっている場合などがあります。

◇性機能障害

勃起障害(ED)、膣内射精障害など性交渉で射精できないものをいいます。
膣内射精障害の原因のうち典型的なものは、過度に強い刺激を与えるマスターベーションの習慣です。
また、ストレスや妊娠に向けての精神的なプレッシャーから射精に至らないケースも増えていますが、稀に糖尿病などの病気が原因のこともあります。
マスターベーション時にも性交渉時にも射精反応が起こらない射精障害の原因には、脊髄損傷や高プロラクチン血症、向精神薬の服用などがあります。

不妊治療・検査について

不妊治療・検査は男性側、女性側それぞれに原因がある可能性を想定して、男女共に行っていきます。
不妊治療は、タイミング療法・人工授精・体外受精(顕微授精)と大きく分けて3つのステップがあります。
治療方法をより妊娠率が高いステップへ変えることを、ステップアップと呼びます。

まず女性・男性お二人の検査を行い、並行して女性の排卵日予測をし、タイミング療法を行います。
検査およびタイミング療法を約3ヶ月行い、ご妊娠されない場合は人工授精にステップアップします。
人工授精を3~4周期行ってご妊娠されない場合は、体外受精・顕微授精へステップアップします。
こちらの治療方針はほんの一例であり、例えば性交渉が難しい場合は人工授精のステップからのスタートすることや、精子の状態が極端に悪い場合・卵管が閉塞している場合は体外受精・顕微授精のステップからスタートすることも可能です。
そのカップルの状況によってどのステップから治療をするのか、また、ステップアップをどのくらいの期間で行っていくのかは異なります。
治療方針は患者さんのご希望をお伺いし、行った検査の結果や今までの治療歴等から判断して定めていきます。

女性の検査

女性の検査は、月経周期に合わせて行います。

*月経1~5日

●経膣超音波検査

月経中に経膣超音波検査を行い、卵巣内にある小さな卵胞(胞状卵胞)の数を測定します。
胞状卵胞数を診ることで、卵巣機能の衰えを予測することができます。

●女性ホルモン検査(血液検査)

FSH(卵胞刺激ホルモン)、LH(黄体化ホルモン)、E2(エストラジオール)、PRL(乳汁分泌ホルモン)を調べます。数値に異常やアンバランスがみられると、不妊の原因になることがあります。

*月経7~10日

●子宮卵管造影検査

左右の卵管の通過性、卵管の癒着、子宮腔の状態を調べる検査です。

*月経9~16日

●超音波検査と頸管粘液検査による卵胞計測

超音波検査で卵巣内の主席卵胞(最も大きい卵胞)の大きさや子宮の内膜の厚さを測り、頸管粘液の量や性状を診て排卵の時期を予測します。

●性交後検査(フーナーテスト)

排卵の時期に性交渉をもって頂き、頸管粘液を採取して粘液内の精子を確認します。
運動精子が確認されない場合や少ない場合、子宮腔内まで精子が到達していない可能性があります。

*月経19~21日

●超音波検査と黄体ホルモン検査(血液検査)による排卵確認

超音波検査で卵巣と子宮を診て、きちんと排卵したかどうかを確認します。
排卵後のE2(エストラジオール)とP4(プロゲステロン)を調べることで黄体機能を評価します。
ホルモン値が悪いと良い排卵が起こっていない=着床しにくい可能性があります。

*月経周期に関係なく行う検査

●AMH(抗ミュラー管ホルモン)検査

卵巣に残っている卵子の残り数が何歳相当であるか(卵巣の予備能)を調べる検査です。
あくまで卵子の“数”をあらわしており、卵子の“質”をあらわすものではありません。

●甲状腺ホルモン検査

甲状腺から分泌されるホルモンに異常があると、卵胞が育ちにくくなることで不妊の原因になったり、流産や早産のリスクが高くなります。

●精子不動化抗体検査

精子不動化抗体を女性が持っている場合、体内に入った精子の動きを抗体が止めてしまう為、体内での受精が起こらない可能性が高くなります。

●クラミジア抗原検査・抗体検査

クラミジア抗原検査は子宮頸管部の分泌物や擦過検体から現在の感染の有無を調べ、抗体検査は血液中の抗体から過去の感染を調べます。
クラミジアは性感染症の一つであり、感染すると子宮頸部から子宮を通って卵管、さらに腹腔内へと感染が広がっていきます。その結果、卵管が狭くなったり閉塞したりすることがあり、不妊の原因になります。
また、妊娠されても、子宮外妊娠(卵管妊娠)の可能性を高くしてしまいます。
しかし、クラミジアに感染しても、ほとんどの女性はおりものが増えたりするか無症状で気が付かないことが多いです。
また、子宮頸管に感染したクラミジアは徐々に卵管や腹腔内へと移行することで頸管部の抗原検査では検出できなくなることがあり、判定は難しくなります。正確な診断には抗原と抗体の両方の検査を組み合わせることが必要です。

男性の検査

●精液検査

精液を専用の検査容器に採取して提出して頂きます。(自宅採取、院内採取(メンズルーム)の選択が可能です。)
ご提出いただいた精液の精液量・精子濃度・総運動率・前進運動率・正常形態率・白血球数をお調べします。

●男性ホルモン検査

FSH(卵胞刺激ホルモン)、LH(黄体化ホルモン)、T(テストステロン)、PRL(乳汁分泌ホルモン)を調べます。数値に異常がみられる場合、造精機能に異常があり不妊の原因になることがあります。

●睾丸検査

精巣(睾丸)の触診を行い、精巣の大きさ・精管の通過・精索静脈瘤の有無を調べます。
精巣の大きさが小さい場合、造精機能障害の恐れがあります。
精管が無い場合(先天的)や細い場合、精路通過障害によって精子が射出されていない可能性があります。
精索静脈瘤がある場合、精子の所見を悪くする可能性が高いため手術をして所見の改善を計ります。

アクセス
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