人工授精(AIH)
人工授精(AIH)
人工授精とは、精液を調整(洗浄・濃縮)することで集めた精子を、女性の排卵に合わせて子宮腔内に直接注入する方法です。
自然(性交渉)の場合に起こる、精子が子宮腔内まで到達しない可能性を排除することが出来ます。
人工授精は名前に“人工”と付きますが、精子を集めて子宮腔内へ入れる(=精子の出発地点を膣から子宮腔内へ手助けする)のみであり、受精から着床に至るまでの過程は自然妊娠と同じです。
人工授精1回あたりの妊娠率は10%前後ですが、女性のご年齢や、精子の状態によって変動します。
◇適応
- 精子が子宮腔内へ進んでいない場合(フーナーテストの結果が不良の場合)
- タイミング治療で妊娠に至らない場合
- 精液所見が悪い場合(精子の数が少ない、運動性が悪いなど)
- 性交障害がある場合(膣内で射精が出来ないなど)
◇治療の流れ
①月経1~5日目に超音波検査を行い、その周期に発育する卵胞数を測定します。
状態に応じて排卵誘発剤(内服薬やお注射)を使用し、卵胞を排卵に向けて育てます。
②おおよそ月経9~12日目に卵胞の発育を確認して排卵日を予測し、人工授精を行う日を決定します。
③おおよそ月経12~14日目に人工授精を行います。
人工授精当日は、まず男性に精液を提出して頂きます。精液の採取は自宅でも院内のメンズルームでも可能です。(※事前に凍結保存した精子を用いて行うこともできます。)
提出頂いた精液の調整(洗浄・濃縮)を行います。
調整を行うことで運動性の良い精子を集め、精液中の余分な成分(止まっている精子や細菌類、衣類の繊維など)を取り除きます。
【調整前の精子の様子】
【調整後の精子の様子】
調整後の精子は、細くて柔らかいチューブを使用して子宮腔内へ注入します。 痛みはほぼありません。注入後はいつも通りの生活をお過ごし頂けます。
④おおよそ月経19~21日目に排卵の確認を行います。
状態に応じて着床しやすくするための黄体ホルモンの補充を行います。
◇費用
5,460円(保険適用、3割負担額の場合)
※お薬、お注射等の費用は別途かかります。
※人工授精当日の費用です。