ZyMōt (ザイモート:膜構造を用いた生理学的精子選択術)について
ZyMōt(ザイモート)とは、採卵時の精子調整方法の一つです。
通常、精子調整を行う際は精液をパーコール液という特殊な調整液に乗せて遠心分離を行い、試験管の底へ集まった精子を回収します(密度勾配遠心法)。
しかし近年、遠心分離を行うことで精子に対して物理的なダメージが与えられ、精子のDNA損傷が起こる可能性があるとされています。
ZyMōt(ザイモート)では、ZyMōtスパームセパレーターという特殊なフィルターの張ってあるプレートに精液と培養液を入れて静置し、そのフィルターを潜り抜けて泳ぎ上がってきた精子を回収します。
フィルターには8μmの微細な穴が開いており、動いていない精子や8μmの穴を通過できない奇形精子、前進運動性の低い精子、衣服の繊維等の不純物は通過出来ない為、運動性の良い良好精子を選別することができます。
遠心分離によるストレスを与えずに良好精子を回収できるため、体外受精・顕微授精の培養成績の向上、妊娠率の上昇、流産率の低下が認められたという報告があります。
◇方法
精液調整時に専用のZyMōtスパームセパレーターを用います。
患者さんに特別に行って頂くことはございません。
採卵手術当日に精液を採取し、ご提出頂ければ行う事ができます。
(極端に精子の所見が悪い場合、行えない場合があります)
◇適応
胚移植を行い反復して妊娠に至っていない方など
◇費用
27,500円